2017年産小麦の栽培風景【後編】をお届けします。
■ 経過観察
2017.3.16
中耕。
麦踏みで霜で浮き上がった根をしっかりと戻す作業を行いましたが、更に畑の養分を麦が吸収出来るように茎の根元に土をかけます。この作業は、石川さんが済ませてくださいました。
2017.3.20
暖かい日が増え春らしくなって来ると共に、小麦も成長してきました。
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2017.4.5
この時期になって来ると小麦の成長が著しく早くなり、見た目にも成長している事を感じる事が出来ました。
背丈は40-50cm位までありました。
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2017.4.12
1週間前と比べて10cm位伸びています!
背丈は50-60cm位ありました。
■ 防雀網布設置
2017.4.16
穂が出て来ると雀が麦粒を食べに飛来する為、穂が出る前までに網を掛けて雀の被害にあわない策を講じます。
畑の周りに立てた鉄柱に網を張り、さらには畑全面を覆う様に網をかけました。
■ 出穂(しゅっすい)
2017.4.19
やっと穂先が見えてきました!
沢山そして大きく実をつけてくれるといいなぁ!
■ 経過観察
2017.4.26
すっかり穂が出て小麦らしい姿になってきました。
■ 開花
2017.5.8
麦粒の先っぽに可愛らしい白い花が咲きました!
石川さんに教わるまでは、これがまさか小麦の花だとは思いませんでした。
小学生の頃に朝顔やひまわりの観察をしたことがありましたが、それ以来植物と向き合う事などなかったのでとても新鮮です!(^-^)
■ 経過観察
2017.5.24
小麦らしい色になってきました!
もう間も無く収穫出来そうです。一部倒伏が見受けられました。
雀も賢いもので、美味しくなった麦粒を狙って、網の上に舞い降り自分の体重で網を押し下げる事で穂先を網から出し麦粒を食べる様です。部分的に穂先がなくなっているところがありました。
被害から守るために鷹の模型と鳴き声の出るスピーカーで対策を講じました。
■ コンバイン慣らし運転
2017.5.28
間もなく迎える収穫に備えてコンバインの慣らし運転と操作について教習して頂きました。
1年ぶりに稼働させるので内部のVベルトが変形している恐れがある為、事前にアイドリング状態で慣らし運転をして収穫の時フル稼働出来るように準備しました。
小麦の状態を観察すると残念なことに倒伏が拡大していました…;;
■ 収穫
2017.6.4
防雀網を取り除きいよいよ収穫です!
今回は殿ヶ谷の畑。しっかりと色付き水分量も充分減りました。
コンバインの調整が上手くいかず刈り取りが上手く出来なかった為、収量をロスしてしまいました…
今年は機械乾燥も導入する予定なので、乾燥機の試運転もおこないました。
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2017.6.7
前回に続いて、今回は中原の畑の収穫。
殿ヶ谷の畑で調整に苦戦しましたが、そこは石川さんがしっかりと修正してくださったお陰で中原の畑はロスすることなく収穫が行えました。
■ 収穫祭「麦秋を喰らう会」
2017.6.11
コンバインでの収穫が終わったところで、会員のみなさんにも楽しみにしていただいていた収穫祭「麦秋を喰らう会」を開催しました!
参加者のみなさんを畑にお招きして収穫体験をしていただいたり、うどん講師のメンバーは小麦談義に花を咲かせたり、会員店・一休の大将が打った昨年獲れた地粉を配合したオリジナル麺を堪能したり。会長夫妻が焼きを担当したバーベキューもして収穫の喜びを分かち合いました!
武蔵村山産小麦の収穫をたくさんの方々と祝うことができて、石川さんのご苦労が小麦とともにここで実ったような気がしました。
■ 会員店援農会(収穫)
2017.6.12
殿ヶ谷の畑で倒伏してしまった小麦を、会員店さんに援農していただいて、2畝(60坪)ほど手刈りにて収穫しました。
倒伏してしまうとコンバインでの収穫ができないため手刈りをしなければなりません。鎌を持ち、手作業で刈る作業は終始かがんだ姿勢での作業なので体力的にもキツく、刈った麦を束ねて積むところまでも手作業になるのでとても大変です。
石川さんと僕だけではかなり厳しかったのですが、窮地を知った会員店さんたちが集まってくださることになってほんとうに有難いことでした。
朝から作業を予定していたものの、前夜に雨に降られてしまって朝の段階では中止しないといけない状況でしたが、タイムテーブルを変更して畑でお食事会をしている間に晴天となり、予定より遅い時間のスタートとなりましたが、無事刈り残していた全量を収穫することができました!
会員店の皆さんお疲れ様でした!そしてありがとうございました。
遠くカルフォルニアから駆けつけてくださった隊長も、どうもありがとうございます(^-^)
■ コンバインのメンテナンス
2017.6.24
収穫した際にコンバイン内部に残った麦粒を綺麗に取り除いておかないと、ネズミなどが入り込んで麦粒を食べて糞をされてしまいます。それが次年度収穫した麦に混入する恐れがあるので、コンプレッサーを回しエアーでしっかりと綺麗にします。
■ 小麦選別と袋詰め
2017.7.2
コンバインで収穫した麦粒にはもみ殻や藁などが一部混入しているので、唐箕(とうみ/選別機のこと)にかけ粒を選りすぐり計量しながら袋詰めしました。
■ 自家製粉
2017.7.23
麦粒を綺麗に磨き、製粉機にて粉を粉砕していきます。ダイヤルの奥はミルのような構造になっていて調整具合でひきの荒さを変更できます。
今回は試しに粉にする少量だけなので自家製粉しましたが、会員うどん店や村山うどんの会のオリジナル商品になる分は製粉所にお願いします。
育てた小麦が粉になり、これでとうとううどんが打てます!
自分が手をかけた小麦への思いはひとしおで、それでさらに自分で打ったうどんが食べられるなんて今から楽しみです(^-^)
■ 初打ち会
2017.8.11
石川さんはうどん教室チームの中で、師範として講師たちのご指導もしてくださっています。僕もうどん教室チームで手打ちうどん教室の講師をしています。
というわけで、せっかく一緒に育んだ小麦なので初打ち会をしましたー!
種を植えてから約7ヶ月やっと口にする事が出来たうどんは、今までのうどんとは違い格別な味でした(^-^)
■ 村山地粉うどんフェスタ2017
2017.8.2-9.9
今年収穫した武蔵村山産小麦を配合したうどんを会員店6店によるリレー方式で提供するというイベントを約1ヶ月間に渡って開催しました。
今年は、地粉フェスタに協力してくれた会員店さんたちが自ら刈り取りを行った粉なので各店いままで以上の思いが入った渾身のうどんに仕上がりました。
それを証明するかの如く、ポスターには見慣れた会員店さんたちの雄姿が掲載されてます!
スタンプラリーも同時開催され、達成者には村山うどんの会オリジナル半生麺とつゆのセットが贈られました。
これで2017年産小麦作りのレポートは終わりです。
初めて小麦栽培の現場に出て、たくさんの事を学びました。
栽培方法はもちろんのこと、小麦一粒が出来るまでの苦労、そしてその苦労も皆んなで分かち合うと団結力が増したり、喜びに変わること、そういう思いを込めて育てた小麦を粉にしてうどんに出来た時のうれしい気持ちは、ただうどんを打つだけでは得られなかった達成感や充実感をもたらしてくれました。
小麦を育てているつもりでしたが、僕も小麦に育て貰ったと実感する7か月間でした。
収穫が終わりうどんに出来る時期が来ると、もう間もなく次の年の種を植えるときを迎えます。来年は今年学んだ事を生かし、増産プロジェクトの名に恥じない結果を出せるようにさらに精進したいと思います!
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以上、2017年産小麦栽培レポートの後編をお送りしました。
前編からお読みくださった方、長くお付き合いありがとうございました(*^-^*)
農家さんと一緒になって1年を通して小麦の生育や農作業の各工程を体験することができ、われわれ村山うどんの会にとっても学びの多い年となりました。
農家さんに頼らせていただきながら進めること、自分たちでも率先してできることを常に考えながら、武蔵村山産小麦の増産に向けてこれからますますがんばっていきたいと思います!
2018年産小麦栽培レポートもどうぞおたのしみに!
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小麦増産プロジェクト/2018年産活動報告【前編】
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小麦増産プロジェクト/2017年産活動報告【前編】